2021年4月21日水曜日

ノマドランド

 


緊急事態宣言が出る前に行っとかなー。

レイトショーで遅い時間だったけど思い切って行ってきました。

ノマドとは遊牧民の事だけど、今はPCの普及により職場以外でも仕事が出来

るのでそんな人達のことをノマドワーカーと言ったりしますけど、今回のノ

マドは家を持たなくて、車上生活をしながら季節労働などで収入を得ながら

各地点々とする生活者のことです。

主人公の女性はファーは60代後半かな?リーマンショック後仕事、家、夫も

全て失い、底辺にまで落ち込んでしまいます。

社会保険や、兄妹や、支えてくれ人まで現れるのだけれど(羨ましい)それ

も拒否してノマド生活を続けます。

決して孤独ではありません、土地土地でコミュニティーがあり苦楽を分かち

合います。

中で老人が「経済というタイタニックは、もう沈みかけているのだ」

のセリフ今のアメリカかなー。

でもその人達はアマゾンの倉庫で働き、フェイスブックで情報交換して、ス

マホで写真を撮ったり、巨大インフラ抜きでノマドの生活は成り立たないけ

ど。

映画自体はアクションもロマンチックな場面もないし、むしろファーのおば

さん体型のヌードでの沐浴シーンや、砂漠の真ん中や車の中での排尿排便。

ノーメイクで、セルフカットの髪型、これ日本映画の女優さんだと無理でし

ょうね。

けれど、景色が美しいのです。

画面端から端まで、綺麗です。

ネバダ、カルフォルニア、アリゾナアメリカ西部のええとこ取り。

オレンジに輝く雲や広大な砂漠、断層が綺麗に現れた岩など、無数の巣から

一斉に飛び立つ鳥たち。

これは映画館で見る価値あり。

アメリカの50年後は日本やという人がいますが「大丈夫!」なんて言い切

れませんよ。

まーそれまでに私、あの世に行ってますけどwww



2021年4月8日木曜日

サイレント・ブレス (看取りのカルテ)



終末期医療がテーマの現役の女医さんが書いた本です。

サイレント・ブレスって、静けさに満た日常の中で、穏やかな週末気を迎え

ることをイメージする言葉だそうです。

これがなかなか難しい。

作者は社会人を経て医大に入学の後子育てをしながら医者になりおまけに本

も出すという、何というスーパーウーマンでしょう 南 京子さん。

テレビのコマーシャルにあるような綺麗事ではない介護の現実を医師ならで

はの視点で、とても描写が専門的で細かくて。

介護の経験豊富な私には、ここまで丁寧に描いてくれて、「うんうん」「そ

うそう」「あるある」と頷きながら、読みすすめました。

内容的には6のプレスがありそれぞれのエピソードで構成されていて、とて

も読みやすく、人生の最終章を大切に描いています。

主人公はじめスタッフや周りの人たちも魅力的なキャラで暗くなりがちな

内容をカバーしてくれて、とてもいい感じ。

治る病気なら、思い切り治療してもらえばいいけれど、治らない病気など

は、人間の尊厳を無視するような延命措置など、患者本人は苦しいだけで、

残った者の自己満足でしか思えないように、常々感じていました

(少し乱暴な言い方かもしれないけど。。。)

もう食べることが出来なくなっら、胃瘻も点滴も何もしてほしくない、安ら

かに朽ちるよう、そして愛する人に見守られながら、家で死を迎えたいと心

から思います。

これからますます高齢化社会に突入していく日本で、患者も、介護する人

も、医療関係者もこの辺のところもっと掘り下げて考えていかなくてはと

思いましたわ。