芥川賞受賞作で、作家さんが年齢が近いということもあり、気にはなっていたのです。
買って読むほどでもかなーと思っていたら、勝手に買って(駄洒落のつもりは無いのですが^^)
自分は読まずに「お母さんこれ読んだら?」ってなんやろねー。
東北出身の70過ぎのお一人様暮らしの女性が、老いて行く不安や寂しさなどを抱えなが
ら、惚れぬいたご主人の思い出や、離れて暮らす娘や息子の事など、独特の文体で書か
れています。(大好きだった、と書かずに惚れぬいたと書いてはる)
私もそのようなことがあるのですが、頭の中がぐちゃぐちゃと煩わしく思考が溢れてしま
うときがあり、それを彼女は、柔毛突起物と表現して。
それを楽しみながら、巧く描かれていて。
独居老人が主人公だと、面白みの無い話になりそうなのだけど、濁点の多いリズミカルな
表現で、それでいて、ありふれた言葉ではなく作者独特の言葉で、表現されていて、老人
のリアルが、「ほんまほんま、そやそや」とうなずく所が一杯。
一番気に入った件は、「娘が老けてくところを見るのは自分が老けるより辛い」ほんまや
わー。。
地方の言葉って、沖縄に行ったときもそう思ったけれど、標準語では言い表せない、深い
趣があって、それを逆手に取ったと言ったら叱られるけど、音読するとジャスの様。
主人公はいつも46億年ノートを大事に持ち歩きます。
太陽系が出来てから地球の歴史を書いてるノートを持つってどんなお婆ちゃんなん。
やはり只者ではない、「おらどは、途上の人」と言い切る主人公の強さ、身体が弱ってき
ても一人で力強く、死に向かって行くのやろなー。
娘が私に読ませた下心見たりってとこかな!
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