2021年9月5日日曜日

稚児桜(能楽物語)

 


「能の名曲からインスパイアされた8篇のものがたり」って帯に書いてあり

ます。

一篇30ページくらいで読みやすいです。

お能ガイドを参考にしながら読みましたが、裏を返すとこんなに面白い

物語になるのかと。


作家 澤田瞳子さんのとてもわかり易い文章で一気読みでした。

読んでる最中にちょうどテレビにコメンテータかなんかに出演してらして、

びっくり、素敵な女性でしたよ。

中ではタイトルにもなっている「稚児桜」が良かったなー。

最後の「葵の上」もいいけどね。

こちらは、場面描写が素晴らしく最後の儚く散る桜の花びらまで、はっきり

と見えましたわ。

内容はと言うと、貧しさのために女人禁制のお寺に売られた美少年「花月」

とその世界に全く馴染もうとしない、泣いてばかりの「百合若」の物語。

食べざかりなのに、まともにご飯が食べれないから、お腹を満たすために、

僧侶のお酒や閨のお供をしなければならないの。

僧侶が残した食べ物にありつけるから。

それもこれも声変わりするまで。

男っぽくなったらいけません、お化粧が似合う時期までよ。

ある日花月の父親が、花月を引き取りに来るのですが、花月は百合若を、自

分と偽り、父親のもとに引き渡すのです。

自分の顔も忘れてしまった薄情な父への復讐か、弱虫な百合若への友情か、

意地悪か、哀しい残酷さが、切ないわ。

現代の世の中でも、親に見捨てられた少年が幼い兄弟達面倒を見るために歌

舞伎町あたりで働いていたりしますものね、ちょっと前そんな話ありました

よね!(泣)

いつの時代でも、変わってないのか。。。

オットット、話がそれましたけど、難しそうなお能が、澤田さんが噛んで含

めるように、身近にかりやすく、とっつきやすくして下さいました。






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