2019年6月26日水曜日

「マチネの終わりに」を読んで

平野啓一郎さんのラブストーリーです。

昔、芥川賞を学生時代に受賞された「日蝕」はさっぱり理解できなかったけど。

今回は、大丈夫。

クラッシックのギタリストと海外の通信社で働く女性、登場人物のレベル高いんです。

お互い40前後のいい年をしています。

最初会った時から、惹かれあい、けどすれ違い、そして遠距離、それも国内とちゃいま

す、世界を又にかけて、三回しか会ってないのに。

「君の名は」(古すぎます)から、すれ違いは鉄板のラブストーリですけど、今はあまり流行ら

なくなりましたもの、ケイタイのおかげでね!皮肉にもそのケイタイのメールによってす

れ違ってしまうのです。

お互い思いを寄せる相手だからこそ、巧く会えない、やはり若くない大人の恋なんです。

揺れ動く感情が切なすぎるのです。

平野さんの文章は、相変わらず語彙が難しいとこがあり、時々ググりながら読みすすめま

したけど、本当に文章が美しい。

何度も出てくる、「変えられるのは未来だけだと思っているけど過去も変えることが出来

る、過去は繊細で感じやすい」なアホなと思ったけど、最後には納得!

ラブストーリーを軸にクラッシック音楽の世界、今も問題のイラク情勢、などが絡み合い

骨太に仕上がってます。

それから、お若い作家さんらしく、本でもCDでも、買うのではなく注文。

それに美しい人の例えに、「リー・チーリンとスカーレット・ヨハンソンをたしてニ倍す

る」って、今時の人です。

最初「冷静と情熱のあいだ」ポイのかなと感じたけど、ちゃいました。

映画化が決まっていて、福山雅治と石田ゆり子さんやてー、どストライクで文句ありませ

ん。

読み進む内に、すっかりお二人が台詞言ってました。

こんな恋愛憧れます、けど私には無理、ちゅうかもう遅すぎるやん。

平野さんが以前トークショーみたいなところで「愛とは誰かのおかげで、自分を愛せるよ

うになる事、だから誰かを愛する」。

愛なんですよねー、愛さなきゃいけません、家族・友人・他人・難しいけど。