毎日暑いし、出かけるのも億劫だし、こんな時は涼しい部屋で読書です。
以前から気になっていた本を、ネットで購入(どこまで出不精!)
作家の塩田武さんは、気になる作品や映画を見たり読んだりしていると、何
故か塩田さん、つまり人気作家さんやね。
「騙し絵の牙」や「罪の声」両方とも本を読んだり映画で見たり。
で、本の内容は、いきなり昭和31年の芦原温泉街の大火から始まります。
映画を見ているような感じになる描写が素晴らしくどんどん引き込まれる。
一人の失踪した女性を見つけるために様々な人へのインタビューが折り合わ
さって小説が綴られます。
ゲーム依存症の凄まじさ、男女雇用機会均等法が制定された後、銀行に入行
したけど、根深く残るジェンダー。
などなど現代の問題も描きながらも、男運のなさすぎる昭和テイスト満載の
女性3代の人生。
登場人物もたくさんいて、途中でしんどくなったけど、時間がいっぱいある
ので最後まで読み切りました。
最後のシーンは、ドラマチックな冒頭のシーンとうって代わり、ちょいサス
ペンス劇場っぽかったけれど、かもめや雪の情景が美しく描かれ好きな場面
でした。
この地にしばらくいたせいか、余計に感情移入してしまったかな?
新聞記者出身の塩田さんらしくメディア報道のあり方など含め、色々考えさ
せらる小説でした。