2020年5月13日水曜日

望みは何と訊かれたら


前回の「夜の谷を行く」に続き又々女性目線の連合赤軍のお話。

[夜の谷を行く」の主人公啓子と同じく、リンチで殺された死体を運ぶ

途中で逃走した、

女性沙織の人生です。

物語の最初、夫の仕事に同行したパリの美術館で偶然に昔助けてもらっ

た男性に会います。

その男性はアジトから逃げる途中に、助けられ、半年の間匿われるので

す。

食事や風呂、赤ん坊のように、すべてのことを彼に委ねて。

そしてその男性のところから又逃げ出し、家に帰り裁判にかけられ、執

行猶予を得、保釈金を

父に出してもらい、普通の生活に戻り結婚して子供を生み。(息継ぎで

きない文章)

娘と優しい夫とセレブで平和に暮らしていたんです。

セレブやブルジョワなら昔なら総括されてしまうのに。

でも何不自由のない生活なのに、優しい夫に過去を話してしまうのです

(なんでやねん!)

そして夫が長期に出張している間に、昔匿ってくれたその男性と会い、

又愛し合うという、恋愛小説。

連合赤軍のアジトの様子も描かれていますが。

沙織の自分勝手さに呆れてしまう。

啓子は、事件により父は自殺同然でなくなり親戚縁者とも縁を切り、

自分の過ちのために

迷惑をかけた妹、これからもかけるであろう姪にまで関係が危うくなり

かけているというのに。

啓子は天井に這う蜘蛛に怯えますが、沙織は青年の家にあったブルーの

綺麗な蝶の夢を見ます。

啓子は自分の子供を育てることも出来なかったのに、沙織の娘は美しく

素敵な青年と結婚間近。

何という対象的な真逆な主人公。

なんやろう、「夜の谷を行く」読まないで「望みは何と訊かれたら」を

読んだら、こんな感想にはならなかっただろうにねー。

作家さん二人は、一歳違いで全共闘世代、同じ大学で、バックボーンは

よく似てるのに。

だからかなのか、「望みは何かとか訊かれたら」が出版されてから七年

後に「夜の谷を行く」

が出版されました。

桐野夏生さんが、「それちゃうのんちゃう?」とでも言いたかったのか

しら?

小説より、二作の対比が小説ぽくって、面白かったわ。


「望みは何と訊かれたら」それはもー勿論コロナが収束して、仲間と楽

しくワイワイ遊びたい!

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