今更なんですが、読みました。
遠方へ、行く時の長い道中のお供にと思い選んだのだけれど、
孫に「絵本読んでよー」とせがまれても,「ちょっと待ってよー、
もう少しだから~。。」と言いながら、読み続けました。
駄目オババです^^
良かった!!久々にじんわり心に響く作品でしたわ。
遠藤周作さんの70歳の作品です。
集大成といってもいいかな。
話し変わりますが、今まさに入社式があちこちで行われています。
私の入社式(当時の電信電話公社)で、近畿通信局長として
挨拶して下さったのは、遠藤正介氏で、遠藤周作氏のお兄さん
でした。
背が高くて、東大卒で、360度 男前の素敵な紳士でしたわ、早くに
お亡くなりになって、とても残念に
思っていました。
話が相変わらずあっちこっちになりますが、お話の内容は、色んな年代の、立場の違う人達が、目的
も様々なんだけど。ガンジスを目指すんです。
仕事ばっかりで、家庭を顧みなかった企業戦士の磯部。
企業戦士って言うのが30年前の作品らしいですよね、奥様を癌で亡くし、亡くなられる間際、今際の
際に、「どこかで生まれ変わるから、私を探して!」と頼まれ、奥様に対する罪滅ぼしのつもりか、何か
してないと、たまらないからかもしれないのか、インドへの旅に。
戦争での悲惨な体験を戦後も引きずり続ける老人木口。
ガンジス河で、戦争の辛い体験で、苦しみながら死んでいった、戦友の成仏を祈る為に、ガンジスの
ほとりで、阿弥陀教を唱えます。
新婚旅行にインドを選んだ、スクープ写真を撮って有名になりたがっているカメラマン。
とてもいやな御夫婦です。
身代わりとなって死んでいった九官鳥を求めてきた、童話作家沼田。
あまりこの方には、共感できなかったですけど、別にいらないのでは、と思うのは私だけでしょうか?
そしてこの小説の主人公と思える人物、美津子と大津。
若い頃、大津から、玉ねぎ(神の愛)を取り上げ、もてあそび捨ててしまい、それなのに大津を捜し求
めて、インドまでやってくるのです。
大津は神の愛は、ヨーロッパだけにあるのではなく、他の宗教も受け入れた、大きな愛だと、いいそれ
をガンジスでボロボロになりながら、実践しています。
死にかけの人を、担いでガンジスに運び、荼毘に付して河に流す作業を、続けるのです。
愛に飢えた美津子は、その大津の行動を、軽蔑しながらも、目が話せない、その無償の行動こそ、神
の愛というのかしら、狐狸庵先生は。
母からの影響を受けクリスチャンになった、作家の、生い立ちや、母に対する愛。
作品の中に何度も出てくる、病気で、醜い身体になってまでも尚、人々にお乳を与え続ける、
チャームンダー女神。
女性には、わかりづらい、母に対する愛が影響しているのかしら?
彼の宗教に対する考えが、凝縮されている作品なのでしょうね。
母なるガンジスは、すべての人を受け入れてくれるのです。
そして、色々な悩みから解放されるために人々は、目指すのです、死期が迫ってやっとの思いでたど
り着き、そこで死を迎え、亡骸を、灰にして河に流してもらう為に。
転生して、よりよい人生に生まれ変わる事が出来るのだそうです。
カーストの厳しい国だからこそ、その思いは、強いのでしょうね。
苦しみや貧しさに耐えに耐えて、やっと死ねる、死は決して怖くない。
私達が、メチャ忙しい日を終えて、やっとほっとして眠る事が出来る感覚なのかしら。
そんなに簡単な問題じゃないですよね!すんません^^
輪廻転生、生きる事と死ぬ事は循環している、そんな事が、普通に信じていられる国なのかしら?
今でもなのかな。
インドへ、行って見たいなといつも思うのですが、以前にも時間が出来て、インドに行きたいと思い、知
り合いの医者に言ったら、「あなた、すぐにお腹を壊す、やめなさい!」と忠告され(その医者中国人)
へたれな私は、行き先を、ニューカレドニアというお気楽な国へ行き先変更しました。
お薬一杯持って、行ってみたいと、再び思っているところです。
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