古い博多帯を見つけました。
大好きな緑の独鈷柄が綺麗な帯で、表が博多で裏が茶の絽の袷に仕立ててあり、今から浴衣にピッ
タリ。
でも幅が6寸五分(約25cm)と中途半端で、「なんでかなー??」と思って解いてみると、どうやら男
性の人の角帯を、女性の帯に仕立て直してあるみたいなのです。
なんかドラマチックでしょ!
と思うのは私だけ?
昔、わけありのカップルがいてね、夏祭りに二人でお忍びで行くのよ。
「ねぇー安吉さん、あんたのその角帯いい色ねー、私そんなのほしいな~。」なんて年増女が言うのよ
昔は35歳くらいで年増だからね、もー私なんかご先祖さんよ(泣)
物語は続くのよ。
「お志麻さん、そんなにこの角帯が気に入ったんなら、やるよ!」って、少し年下の大工の安吉が気前
よく言うの、かっこいいでしょ!
そして藍染めの浴衣に締めた角帯を外そうとする、そこで「やだねーこんなとこで、今でなくてもいい
わよ!」なーんて、お志麻さんがあきれて言う!
そんなラブラブな二人も、安吉さんが、仕事場の屋根から落ちて事故死して、短い恋も終わるのです
よ。
そこで、悲しみのどん底にいた、お志麻さんは、形見の角帯を、大事に自分用に仕立て直して、大事
に締めていたんですよキットね。
付いて来れますかー? 若い人達、早い話がメンズの博多帯をレディースにリメイクをしたんですよっ。
お志麻さんは、昔の人だからきっと小柄なんですよ、私みたいに、でかくなくて、だから6寸5分くらい
の帯幅でも着こなせたんですよきっとね!
そして年が流れ流れて、私の手に入ったちゅうことですわ。
それで又、私はその中途半端な幅の帯を、半幅の帯に仕立て直して、今年仕立てた、新しい浴衣に
締めてみようと思っているのですよ。
いいでしょ!
ええもんは、何年経ってもええもんですわ!
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