2014年6月30日月曜日
白蓮れんれん
朝の蓮ドラを見ていると、主人公より、白蓮さんの
ほうに興味がわくんです。
仲間幸恵さんの好演もいいんですが、着物も素敵
その着こなしも、すべてがいいんです。
まっ、それは、衣裳さんの仕事なんですけど。
と言うわけで、白蓮さんの本を読みました。
作家は林真理子さん、お題は「白蓮れんれん」
「ルンルンを買っておうちに帰ろう」の処女作で
デビューなさった彼女らしいキャッチーなタイトル。
「恋々」を「れんれん」と書くあたりさすがです。
中身がドロドロなのに、爽やかなんです。
それにしても2005年初版発行。
良かったですね、連ドラなかったら、こんなに売れなかっ
たでしょうに・・・・・・失礼。。
お話は、白蓮が大正天皇の従姉妹でありながら、14歳で最初の結婚。
子供を置いて20歳で出戻り、いったん女学校に入学。
そこで花子と知り合い、卒業後に27歳で50歳の九州の炭鉱王、伊藤伝右衛門と家を守るためにし
たくもない再婚をするんです。
彼の奔放な女性関係や、無教養に虚しさを覚えながら歌を作ることで、自分自身を必死に支えながら
暮らすのです。
35歳の時に7歳年下の帝大生宮崎龍介と恋に落ちます、その時代は、姦通罪ちゅう刑法があったの
にね!
彼女達は、二人が一緒になるために、自らの不倫と、夫のスキャンダラスな私生活をマスコミに発表
して世間を揺るがすんですよ。
白蓮事件です。
そんなこんなで、5年後に晴れて夫婦になり、81歳まで幸せに暮らし、めでたしめでたし、ハッピー
エンドなんですが。
でもお話の中で最もびっくりさせられたのは、天皇のご親戚や、上流階級のご婦人達は、結構そんな
恋愛をしたはるんです。
そして、男達の身勝手に、もてあそばれた女性もね。
皆さん身分や地位を守るために、意に沿わない結婚をさせられる為やろうけれど。
彼女が利用する逢瀬のためのお屋敷に、そんな恋人達三組が、別々のお部屋で、夜を過ごしたはる
んですよ、凄いでしょ。
ここにでてくる人達の中には、実在の人もいらして、ひょっとしたら、まだご存命の方もいらっしゃるかも
知れないけれど、よくクレームが出ないもんだわ。
林真理子さんは、お子さんから提供された700通あまりのラブレターを参照しているんだけれど。
そのラブレターを入手出来た時点で、もう小説が半分出来上がったも同然と言ったら言い過ぎかな?
ラッキーですよ、そして蓮ドラになったことも含め、ほんまにラッキーずくめです。
勿論、林真理子さんらしく、そこに枝葉をつけて、女性の悲しさ、欲望に正直に生きる様、図太さ、いや
らしさ、うまく描いています。
そして少し救いなのは、裏切られ恥をかかされた、夫伝右衛門さんが、豪傑ってこんな男なんだと思
える度量のおっきい男に描いているのが、良かったです。
「彼女も大人になりはったなー」って、なーんて上から目線なんでしょ!
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