2015年5月9日土曜日

鏑木 蓮の白砂



何気に、本屋さんで、なんかいい本無いかな~っと探していたら。

装幀の美しさに惹かれ思わず手に取りました。

暗い森の湖の畔に白い雌鹿が一頭こちらを向いています。

勝手に雌だと決め付けるのもなんかと思いますが、優しそうなんですもの。

画像が下手で、はっきりとは見えないけれど、「白砂」と明朝体で書かれていて、白い砂のような物

の塗りつぶしてす。


このカバーデザインだけでも、得した気分なのに、本の内容も良かったです。

今時珍しい清貧な二十歳の女子大生が、何者かによって殺されたところから、お話が始まります。

あまりにも悲しいく暗い、加害者と被害者の哀れな、生い立ちと現状に、相反して、捜査していく刑

事達が妙に明るいのが、ちょっと気になるかな。

変なとこが気になるでしょ、でも刑事の娘と被害者が同年代なので、余計に可哀想なんですよ、

作家さんは、そこが狙いかな?

残された短歌・散骨の事・宗教・嫁姑の問題・公害問題などなど盛りだくさんの内容で、一気に読み

進む事が出来ました。

誰一人憎めなくって、とても切なく哀しいお話でしたわ。

草花の描写なんかも丁寧で、女性の気持ちに良く沿って描かれ、静かに物語が進んでいくので、て

っきり作家さんが女性と思ったら、男性でした。

それも、オッチャンぽかったわ、スンマセン ゴメンナサイ^^

これは、きっと、映像になる予感がします。

サスペンス劇場なんかにいいかな。

この作家さんのほかの作品も読みたくなる一冊でした。





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