2017年7月3日月曜日

母の悲鳴が聞こえる絵羽織

昔昔。まだ私がJKの頃、ありましたの、そのような頃が私にも。

母はまだ現役で和裁の裁縫士をやっていて、家でチクチク縫っておりました。

出来上がる着物を横目で見ながら私は、宿題したり、テレビ見たりしてましたのよー。

ある日いつもの通りテレビ観ていたら、母が急に「アッアーッーー!!」ってまるで断末

魔のような叫び声をあげたのです。

今でもその声は、耳に残ってますわー、覚えてますよ、昨夜の夕食のおかずは、

忘れていても、そんなしょうもないことは、変に覚えているもんなんです。

綺麗な柄の絵羽織を裁断していたその時、寸法を間違えて切ったらしいのです。

そのときの母の頭の中に金銭登録機(古いです)の音がガチャガチャチーン♪っと鳴ったか

どうか知りませんけど。

ジャーン♪ 買取です。

その忌々しい失敗した布が、箪笥の底から先日出て来ました。

で、リメイクしましたの、前置きが長くて、申し訳ありませんが。

染の名古屋帯と、大き目のトートバッグ、それから吾妻袋に。

そんなおっちょこちょいのDNAを引き継いだ私も、裁断間違いありますよ、自慢じゃない

けど。

でも私は洋裁のほうだから、布も余裕あるし駄目ならデザイン変更できるし、それで切り

抜けてきました。

和裁は、残念ながらそんな訳にはいけません、このような絵羽織ならなおさら、柄があり

ますもの、和裁の道に進まなかったのは、良かったわ。

失敗して、一々買取していたら、何してるこっちゃらですもん。



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