
「マリアは木立の中を縫うように飛んだ。」から始まるこの小説の主人公はオオスズメバチ。
学名(ヴェスパ・マンダリア)体長4センチ前後の獰猛なハチです。
ハチの帝国に生まれた娘マリアが、一生恋もしないで、子供を生む事もしないで、一人の女王のため
に働き続けるお話です。
ハチの帝国は、メスが支配しています。
オスは針も持たない子供も養わない全くの無能。。。。
母から生まれお姉さんに育ててもらい、妹を育て、30日の間、生涯獲物を捕らえる為に戦うのです。
帝国や姉妹を守るために、空を飛び回り勇敢に敵と戦い、帝国の戦士として、誇り高く死んでいく姿
は、まるで「永遠の0」の宮部みたいですわ。
傷つきながらも、休むことなく、自分の仕事に忠実に生る姿は、潔くって、惚れ惚れしてしまいます。
今まで、ハチに興味がなかったし、怖い昆虫のイメージしかなかったけれど、読み進めるうちに。
ハチの生態が、とてもわかりやすく描かれていて、少しはハチを見る目が変わりました。
が、残念ながら私 小保方さんみたいな賢いリケジョでないので、途中難しくなって、読むのに時間が
かかりましたわ。
オオスズメバチの性決定システムとか、ゲノムの構成、共有率とか、マリアもすぐには解らなかったみ
たいだけど、人間の私は、もっとわからない^^
確固たるヒラレルキーの中で、トップの女王様は、一生巣の中で産卵し続け、空も飛ばない。
その女王に仕えるマリアのような働きハチは、巣を作る係り、餌を調達する係りと、きっちり決まってい
て、ゲノムを繋ぐために、組織は決してぶれないのです。
ハチ自身は、そんな事を、意識しているか、どうか知れないけれど、そんな事を考えているかのように
擬人化しています。
外敵に襲われるって事を、あまり意識の中になかった、ニホンミツバチがセイヨウミツバチに襲われて
しまう、場面がありました。
今日まさに、安倍首相が「集団的自衛権」について会見を行ったはりましたけど、マリアみたいに、戦う
事だけに生きてきたハチのように、武力行使して、チャッチャッと片付けられる問題でもないしねー。
話が、ハチのように飛んでしまいましたが。
百田さんは、ハチの世界を通じて私達に、自分の役割や仕事を精一杯全うして、シンプルに忠実に生
き抜く潔さをメッセージにこめたはるのかなー。
0 件のコメント:
コメントを投稿
「Mのページ」を、最後までお読みいただきありがとうございました。