2013年12月4日水曜日

ホテルローヤル

桜木紫乃さんの、直木賞受賞作品です。



以前「ラブレス」を読んだとき、なぜか、目の付け所と言うか、こだわるところが、好きになり。
気になっていたんです、この前、テレビに出演してらしたときに、ゴールデンボンバーのファンだった事もわかり、チョイ好きになりました。

6編からなる短編集、読むのに、半日もかからなかったです、一気に読めました。

6組の男女が、織り成す人間模様、世の中でよく言う、まっとうな、正しい生き方ではないけれど、日の当たらないところで、見も心も裸になって自分をさらけ出していますのよ。

廃墟のラブホテル、そこを、経営した人、利用した人、働いていた人、それが、根底で繋がっていて、小説だけでなく、心も繋がっているような気がします。


題名が題名なので、変な描写が多いと思わないほうがいい、そんな本じゃないのです。
心の描写です、こ・こ・ろ

社会的な地位、財産、人間関係、そんなものに見放されてしまった、人々ばかり。

どうしょうもない現実を抱えながら、一生懸命生きていくんですよ、特に女性が、そこをうまく描くのが、お得意の作家さん。

多分色んな経験し他人だから、描けるのでしょうね。
だから、突き放しいなくて、眼差しが暖かくて、優しいのです。

実は、私も20年位前に、彼の地にいたとき、2・3ヶ月深夜、アルバイトした事があります。
やんごとない理由でお金が必要だった事と、興味半分もあって、昼間働くと、顔を指すので。。(あんたは、芸能人か^^!)

それはもう、インタレスティングな世界でしたよ、どじな私の失敗のせいで、先輩の方が、背中に模様のあるお兄さんの前で、土下座したり。
ほんまに申し訳なかったです、反省してます。
今頃こんなとこで、言ってみたってしょうがないけれど。

40度近い熱があって、咳もあるのに、帰らないで、ふらふらになりながら、働く人。

海外の天気予報が、放映されるたんびに、「こんなん私ら関係ないわ」といつもぼやく人。

20歳前なのに、こんなところで働く、若くて綺麗な人。

そんな仲間達と過ごした、短い期間が、忘れられない思い出です。

お部屋のお掃除に入るやいなや、すぐに、有線放送の、B-23にチャンネル変える私に、「あんたは、暢気やねー、はよ掃除してしまいねーの!」と呆れ顔で、しかるお姉さんは、大きな電気工事屋さんの、奥さん。
因みにB-23は、ビートルズばっかりのチャンネルでした。


仕事を終えた早朝、凍えたフロントガラスに、お湯かけて、熱い缶コーヒー飲みながら、北陸特有のどんよりした空見上げて、アイドリングしてたなー。
そんなこんなで、読まずにはいられなかった本でした。










2 件のコメント:

  1. 先輩の人生が小説になった時は是非読みたいものです。
    山あり谷ありで面白そうです。
    期待しておりま~す。 まき

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    1. 匿名さん
      お千代さんじゃないけれど、人生色々です。
      これからも何がるか、とても楽しみです!
      でも小説には、いたしません。

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